更新履歴
ホーム  >  第3例会 :4月17日(木)18:30 逗子 「カンティーナ」
更新履歴

第3例会 :4月17日(木)18:30 逗子 「カンティーナ」


1398404992_1.jpg1398404992_2.jpg1398404992_3.jpg

      1)会長の時間
  2)幹事報告
  3) 委員会報告
  4) 卓話 ペマ・ギャルポ ペマ・ギャルポ 氏(政治学者 )

チベットというテーマについて、チベット人が話すのは公平ではないかもしれないということを最初にご理解頂きたい。なぜなら、チベットについて話をするとき、どうしても政治的な話は避けて通れないからです。現在、チベットという国はありません。中国がチベット自治区と称している地域は、本来のチベットの西側約半分のことです。本来のチベット文化圏は広く、中国の25%であり、私が生まれたチベットも、現在は四川省となっていますし、インド領やネパール領となっている地域もあります。
チベットには少なくとも7世紀から続く、独自の言葉、文化、歴史があります。それに対して現在の中国は約50年の歴史であり、それ以前には24回も王朝が変わっています。例えばモンゴルから来た「元」にも見られるように、中国では支配民族が頻繁に変わるが為に、古くから続く言葉、文化がありません。チベット文化圏は、歴史的にチベット仏教を中心とした権威あるもので、元来、中国の王朝とは対等かそれ以上だったのです。にもかかわらず、1951年中国政府がチベットに侵攻し強引に併合したことから、チベット動乱が始まり、チベット人は120万人の犠牲者を出しました。
1959年、ついにダライラマ14世はインドに亡命し、チベット亡命政府を立てました。ダライラマ14世は、平和的な問題解決を主張し、1989年ノーベル平和賞を受賞しました。以来、積極的に各国を訪問しています。私は、チベット侵攻で良いことが一つだけあったと考えています。それは、チベット仏教が各地に散らばり、世界に貢献していることです。ダライラマ14世は、現在、様々なコメントを求められる立場となり、ローマ法王の次に権威があるとされているのではないでしょうか。しかしながら、チベットでは中国政府の暴力的な弾圧は続いており、現在も1000人以上が政治犯として拘束され、ここ2−3年で130人以上が焼身自殺による抗議をしています。軍を持たない国連が効果的に機能しないのは、何もウクライナ問題に始まったことではありません。
それぞれの国家がそれぞれの国益を中心に動くため、お互いに利用し利用されています。チベットの将来は、これからも中国やインドといった周囲の大国に大きく左右されるでしょう。私が願うのは、国際社会でチベットという「国」を理解してもらうことと、チベットが世界の平和と安定に貢献することです。 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ー 次回例会 -

第4例会 :4月24日(木)12:30
       逗子 「カンティーナ」
  
  1)会長の時間
  2)幹事報告
  3) 委員会報告
  4) 卓話 土橋 正道 氏(テレビプロデューサー)
       「遠くへ行きたい 中村八大・英六輔の想い出話」