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5月22日 第4例会


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第4例会 :5月22日(木)12:30
       逗子 「カンティーナ」
  
  1)会長の時間
  2)幹事報告
  3) 委員会報告
  4) 卓話 鹿野由久氏 (二期会歌手)
       「日本のオペラ」

まず、オペラの起源ですが、1600年の「エウリディーチェ」という作品と云われています。この時期、丁度日本では、歌舞伎が始まり、奇しくも同じ時期に大衆に愛される芸術が出来上がった訳です。前者が歌中心、後者が芝居中心というのが特色です。

ここで、自己紹介ですが、茨城県昭和31年生まれでビートルズ等を聴いていた世代。吹奏楽にカッコよさを感じ、中学・高校と吹奏楽で、主にトロンボーンを吹いていました。そのまま日大芸術学部にてトロンボーンを習うこととなりましたが、3年生の時にワーグナーの歌劇「タンホイザー」を観て、その声の魅力に打たれ、声楽に転科。卒業後1年サラリーマンを経験した後、芸大の声楽に入り直したという次第です。暫くオペラには出演しましたが、チケットをノルマで引き受けなければならず、売れなければ負債として増加します。このように、卒業後、クラシックでは窮乏するばかりでしたが、偶然のオファーがきっかけで、そこから転じ、10年間ジャズ・ポップスの世界で活動しました。しかし最終的に活動の場はオペラという気持ちを確かめ、15年前に二期会に入ることになりました。1997年新国立劇場の設立はオペラ界だけでなく、個人的にも大きなインパクトになりました。当時、同劇場の監督の五十嵐喜芳氏が審査員であった、出演者を決める試演会を受けた処、即日出演のオファーを戴いたということで、二期会の本番よりも先に新国立の舞台に立つことになりました。新国立劇場は、舞台機構でも最新の4面舞台<演奏している舞台の他に舞台のその奥、上手(客席から見て舞台右)、下手(同左)に残り3面の舞台承知がセット可能>で、運営も、出演者でなく劇場が営業でチケットを販売するある意味で当たり前のやり方になっています。一つのオペラに約200人のスタッフが関わるので、歌手は音楽にのみ集中できます。しかし、ギャラの不均衡の問題は今でも大きい状況です。現状でも主役級は外国人歌手、それも超一流もたまに来ますが全般にはソコソコの方々です。その外国人と日本人のギャラ格差は約10倍で外国人が高いのです。日本人は主役・脇役関係なく同様のギャラということです。又、舞台予算も欧州の様に多くないのです。オペラ「鳴神/俊寛」公演の時、演出の市川団十郎さんが、劇場スタッフから全衣装代の予算を提示され、「これは1着の値段?」と尋ねられた位で、全衣装と聞いて驚かれたという逸話があります。団十郎さんは舞台公演である以上、3日の公演で、1か月家族が養えることでなければならない」と仰っていました。しかし、日本のオペラの現状は、厳しいもので、オペラだけで生計を立てている歌手はいませんから、「オペラ歌手」という職業が厳密に在るかといえば、無いということになります。支援が無ければ成り立ちません。例えば、新国立劇場は1814席ですから、5日でも1万人を動員できません。生産性は低い訳です。イタリア等では、下手でも公に歌う土壌の中で公的補助はもっと厚いですし、アメリカは寄付の土壌があります。更に、現状、各音大は定員割れの状況が続いていて、現場が引き続き厳しい状況という事で、今後の展望もなかなか厳しいものがあります。皆様も是非オペラを鑑賞していただけるよう切にお願い致します  

 



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ー 次回例会 -

第5例会 :5月28日(水)19:00
       葉山 「葉山マリーナ」

  葉山RC ・ 逗子RC 合同例会


  
  1)会長の時間
  2)幹事報告
  3) 委員会報告
  4) 親睦会